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武術的筋力トレーニング

ボディビルの初心者は多くの場合ベンチプレスやバーベルスクワットなどで大きい筋肉(大胸筋や大腿筋など)を中心にトレーニングを行う。筋肉量の多い部分を大きくすればトレーニングの成果がわかりやすく、ビルドアップの効果が早く確認できる。

さて、まったく運動経験のない人が武術をはじめる場合、フヌケでは話にならないので最初はある程度筋力を鍛えることも必要だ。鍛えやすい筋肉もさることながら関節の継ぎ目や靭帯のまわりなどの小さい筋肉を鍛えることも重要。否、大きい筋肉を長期にわたり鍛えることは弊害があるが小さい筋肉こそ時間をかけて鍛錬しなければならない。この点はボディビルとは異なるところでである。

相手はこちらの弱点を攻めてくる。関節や筋肉の薄い部分だ。また打撃技も腕の「締まり」が弱いと威力を出しにくく、逆に自分の拳足を傷つけることもある。ヒビの入ったバットでボールを打つようなものだ。手首、足首、指回りなどの小さい部分を鍛えることが重要になる。

全身をまんべんなく鍛える。言うは易く、行うは難し。


  I 先生の手。拳頭横の力コブに注目!
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下半身を鍛える、ということ

現代武道、実用武術を問わず下半身の鍛練は大切だ。ちょっと組みつかれただけで簡単にくだけてしまうような腰ではいくら高度な術理を唱えても使い物にはならないだろう。

ただ、普通の体力、体格の空手家がスクワットなどで少々下半身を鍛えたところで本格的に相撲、柔道を修行したものに組みつかれては簡単に倒されてしまうだろう。相手のパワーを受け止めるというより吸収するような足腰の強さが求められる。

指導者によってはより負荷の高いバーベルスクワットで鍛えるという選択肢を推奨するケースもある。重いバーベルをかついで足腰を鍛えるのは筋力増大には効果が高いが弊害も考慮せねばならない。古流で戒められる「居つき」を日常化してしまう懸念があるのだ。常に足に力を入れ踏ん張るため、下半身の力を抜くことができなくなってしまう。

古流と並行して競技武道を稽古する場合、ある程度力まかせに押したり組んだりすることへの対処が必要になることはやむを得ない。その場合でもサンチンのように下半身をゆっくり動かし、練り上げる稽古を平行して行い、踏ん張り癖、居つき癖をつけないことが肝心だ。

テーマ : 武道
ジャンル : スポーツ

ウエイトトレーニングをなぜやめられないのか

以前のブログで古流をあきらめかけたとき、一時ウエイトトレーニングを中心に行っていたことを紹介した。

ジムに通うと以外に多いのが「学生時代に格闘技をやっていた、社会人になり強さが衰えることを防止するためにウエイトをはじめた、だんだん身体ががガッチリするのが楽しくなり強くなることよりも強そうに見えることのほうに興味が移っていった」という人たちだった。

私も少しづつ重たいバーベルが上がるのが楽しくなり、当時はかなりウエイトに励んでいたように思う。私の教わった武術の先生方はウエイトに否定的だったが筋肉の大きくなるのは実感できるのでなかなかやめられなかった。

ウエイトトレーニングは少しづつ重いバーベルが上がるのが実感できる。したがってつい継続してしまう。

型の場合、たとえそれが正しい型を教わっていても身体の変化を実感するのに時間がかかる。まして形骸化したものであるならば尚更だ。即効性を求めるのはある意味自然な感情だろう。

現在の私(私自身)はウエイトには否定的だ。もちろん人にもよりけりだろうがわずかなパワーアップと引き換えに力む癖がつく弊害のほうが大きいからだ。ベンチプレスやバーベルスクワットを行っている状態ですばやく動くことは不可能だ。常にバーベルを用いた状態の力の使い方になってしまう懸念がある。

即効とまではいかないが「型をやったおかげで確かに身体の質が変わってきた」という変化が実感できれば型への取り組み方も変わってくると思う。型を行うのが楽しくなってくる。

テーマ : 武道
ジャンル : スポーツ

なぜウエイトをしないと不安になるのか(後編) 

前回からの続き。

私は先生のようなパワーがあってはじめて先生のような威力が出せるのではないかと思うようになった。そんなある日読んだフルコンタクトKARATE誌に木村政彦先生と塩田剛三先生の対談が載っていた。

塩田先生談
合気道はね、体によどみを作らないために筋肉を鍛えてはいけないんだ。 しかし、若い頃はそんなことわからないから、植芝先生に隠れて鉄アレイを持ち上げたりして、見つかるとよくおこられた。 しかし、若いうちは体に力をつけたいと思うのは自然で、理屈はあとでいいから、とにかく目一杯稽古してればいいんだ。

塩田先生のような天才ですら植芝先生に隠れて筋トレをする。俺もまずは力だ!と思った私はボディビルのジムに通い筋トレをはじめた。大学卒業後、最初の会社で体調を崩したこともあり痩せていた身体にまた大胸筋が戻ってきた。少しづつ上げるバーベルが重くなってゆくのは実感できるし、筋肉を使って疲れると飯も美味い。30才くらいにはまたフルコン時代のようなアスリーツ体型に戻ってきた。

さて、大胸筋はもどったがパンチ力はもどらない。それではと久しぶりにサンドバックなど突いてみても手首が疲れるだけで大差ない。なにしろ仕事の傍らの稽古なので時間もしれている。学生時代の腰痛が復活したことをきっかけにウエイトはやめてしまった。

ウエイトをやめたのちはサンチンを繰り返した。武術は半ばあきらめ、健身法としての力を抜いたサンチンである。それでも繰り返すうちにハラまわりがしっかりし、足腰にも粘りが出てきた。さらに力を抜くことでサンドバックをたたいていた時期より打撃力も増してきたのである。

そうか!  
ウエイト、筋トレの類を行わないと不安だったのはサンチンだけで鍛錬になることを知らなかったからだったのだ。否、空手の先生は「力を抜いてサンチンをやれ」と指導されていた。しかし不肖の弟子である私は結果としてできた先生の技の威力ばかりをみて実は先生の指示を守っていなかった。正しいサンチンを先生に示していただきながら自分のサンチンはカタチだけだったのだ。サンチンをいくらやっても鍛えられなかったので手っ取り早い代用としてウエイトに手を出していた。

今、武道上達法研究会の会員たちには特にウエイトを禁止していない。ただ競技経験もあり、筋肉隆々のものでも入会当初から「突き」のできたものは極めて稀だ。ベンチプレスのような「押し」になっているケースがほとんどである。最初は筋トレに未練を残す会員たちも3ヶ月程度でサンチンが実はキツイものであることがわかる。ウエイトトレーニングなしでもパンチ力があがることを理解すれば自然にウエイトに興味を示さなくなる。私が10年以上かかって理解したことを3ヶ月で理解するのだ。

限られた時間での稽古である。効果が高い稽古の優先順位があがるのは当然だ。

テーマ : 空手
ジャンル : スポーツ

なぜウエイトをしないと不安になるのか(前編) - 続・ライオンは筋トレをしない

前回のブログ「ライオンは筋トレをしないが競走馬はトレーニングを行うには少なからずコメントをいただいた。拙文を愛読いただいている方がおられることを実感でき、ありがたく思っている。

さて、私の悪文のせいで主旨が不明瞭であった点をお詫びしつつ、内容を整理してみたい。

1)ライオンが筋トレをしないことを理由に自分の練習をサボる口実を探すのは怠け者
2)ライオンは人工的な筋トレはしないがもともと動物としての強さがある上、獲物を追いかけることで自然に体力を鍛えている
3)馬も同様にトレーニングなしで人間より速く走る。ただし、競走馬のような特殊な世界ではその世界のための特殊なトレーニング(より速く走るためのトレーニング)を行う

といったものだ。特に筋トレは礼賛も否定もしない。以前も何度か述べたがパワーはあるほうがいい、というより本格的に武術を行うなら絶対に必要であるし、筋トレを行ってもリキみ癖や居つき癖の出ない人も多くはないが存在する。

さて、古武道や中国拳法、合気道の指導者にはウエイトトレーニングを戒める方が多い(私の先生もそうだった)。戒めるということは隠れてウエイト、筋トレを行う稽古生が実は結構いることの反証と言えるかも知れない。

沖縄空手をはじめて三年くらいたった時期の私には不安があった。先生の言うとおり(と自分では思っていた)、型を繰り返し、拳足の出し方、基本の手の位置もフルコン時代から変えた。しかし自分は強くなった実感がない、むしろフルコン時代のほうが強かった気がする。フルコン時代の自分はかなり筋力があったが社会人の今は筋力も落ちている。先生の空手は確かにすごい。しかし先生は腕も太く、パワーも強い。先生が否定していた筋力をなんらかの方法でつけなければならないのではないか - いや、ひょっとすると先生もパワートレーニングをしてるんじゃないか・・・・

(この項続く)

テーマ : 空手
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プロフィール

古流修行者

Author:古流修行者
大阪、三木で沖縄空手を指導しています。東京稽古会も活動中。型で身体を創り、組手に活用します。興味をもたれた方はjyoutatsuhou@gmail.com までご連絡ください。

武道上達法研究会 古伝沖縄空手指導日誌

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