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逆瞬発力

スポーツの世界でよく使われる「瞬発力」という言葉がある。簡単に言えば必要な筋肉を瞬時に収縮するスピード、あるいは力とでも言えようか。

例えば陸上競技のスタートダッシュ。足首、ふくらはぎの筋肉をスタートという意識の瞬間に伸筋を素早く収縮させる。意識の伝達と筋肉の収縮、これらの速度の差がスタートダッシュの差となる。

武道、武術、格闘技においても瞬発力は重要な要素である。「打つ!」と決めた瞬間にすばやく筋肉を収縮させるスピードは速ければ速いほどよい。もちろん古流においても同様である。

さて、多くの古流で重視されるのが脱力である。古流や合気に興味を持たれているかたは脱力により身体が重くなったり逆技がかかりにくくなったりするパフォーマンスをご存知と思う。

これを実際に応用するには自由組手等の中で必要に応じ瞬時に筋弛緩(脱力)できる身体にするための稽古を行う必要がある。スポーツ格闘技のスパーリングで相手の体勢に応じ瞬時にパンチや投げ技を繰り出す力=瞬発力を養成することと同様だ。

古流技術を組手等で活かすためには筋収縮と筋弛緩のトレーニング双方ができれなならない。瞬発力とそれと逆の力、いわば逆瞬発力も必要なのである。
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身体の癖

以前のブログで紹介した出身道場の弟弟子、X君であるが体験参加を経て当会に入会した。稽古は難しいが日々上達が感じられるので楽しいという。流石に先生の指導を受けているだけあった礼儀等がしっかりしているので今後楽しみにしている。

さてX君、型の順序はひととおり前の流派で教わっているのであるがハラが抜け、アゴが出ていかにも初心者という姿勢のままだった。聞けば動作以外の細かいポイントについて指導を受けた記憶がないという。型の順序は当然当会と同じものを習得しているので本来なら教えやすいはずなのであるが間違った力の入れ方(先生が本来指導するはずのない力の入れ方である)のまま年数のみを経ているので悪癖が身についており、どのような順序で教えればよいのか少々思案中である。丁度よいケース・スタディとも言えるのだが・・・・

写真は当会でのサンチン指導の一場面。初心者は胸の力の抜き方や肘の位置など徹底的なチェックを受けることが必要だ。

数稽古

「数稽古」と呼ばれる稽古法がある。基本動作や型を千回なら千回、ぶっとおしで行う稽古法などをさすことが多い。

この考え方自体は間違いではないが初心者であれ何であれ、とにかく数さえこなせばいい、という指導法は疑問に思う。初心者、特に身体に癖のある者は正しい基本の姿勢をとることが容易ではない。やみくもに数だけをこなす稽古は悪癖をますます身につけさせる可能性もある。

数稽古は初心者対象の稽古ではない。基本ができた者が対象だ。基本をマスターしたものが数稽古により基本を深く身体に覚えこませることができるのである。

中段突き、上段突き − 基本稽古考

素人の無茶苦茶な攻撃は案外受けにくい。多くの場合威力はないので素手だとなんとかなるにしても、これが殺傷力があるもの(刃物など)だと素人の無茶苦茶攻撃は中途半端な玄人テクニックより受けにくいと思う。今井伸郎(坂本龍馬を暗殺した剣客)の有名な言葉、「剣術をやった相手のほうが斬るのは簡単」ということになるのだろう。

さて、多くの流派で基本稽古(一人でのその場突きの稽古)を行う。指導者によっては「上段を突いているのか、中段を突いているのか、はっきり見せて使い分けろ!」という指示を出す人もいる。

一概に否定はできないだろうが極端に上段、中段、さらには下段突きをはっきり「見せ分ける」癖はかえって読みやすいパンチを創ることにもなりかねない。少し拳を動かしただけでコースの読めるパンチは一種のテレホンパンチである。指導者が上段突きと中段突きを離れた位置からはっきり区別できるということは戦う相手にも区別しやすいということである。

ボクシングなどでも上段、中段の使い分けは行う。しかしボクシングの場合はスパーリング、マススパーなどで相手に「中段と思わせるような上段(あるいはその逆)」を稽古するシステムも確立している。つまり相手の予測を裏切るための稽古を行っている。一般の空手はどうだろう?

私が教わった沖縄空手では「基本突き」は稽古体系にあったが「上段突き」「中段突き」の区別はなかった。自然な高さ(打ち終わった後の拳の位置が肩の少し下)を突いていれば上段、中段は必要に応じ自然に使い分けられるということだった。基本技はそのまま実戦で使うものではない。突きも同様なのである。

沖縄空手は難しいか

沖縄空手の道場に通っている時期に何度も思ったことがある。

「こんな難しい武術、自分には習得できない。先生のような天才しか強くなれないのではないか」

同様に感じていたものは多かったのだろう。先生の名声を聞いて入会するものは多かったが2−3年で去ったものも多かった。

そんな私であるが現在では沖縄空手は中国拳法や合気などより簡単な武術ではないかと感じている。ある程度「型で稽古できる」レベルになると型を繰り返せば自然に型が術理を教えてくれる。そしてその型の数も覚えられないほど多くはない。

このことで私の先生の先生(流派の創始者)が昔雑誌インタビューに応えていた。

「本当に熱心にやっていれば(技術は)知らず知らずに変わっているはずと思います。(中略)空手は物を持たないだけに難しく感じることもありますが、わからんほどじゃないです。武道の中で一番簡単じゃないでしょうか。」

極論すれば空手は型なのである。そして数もそれほど多くない。

もし武術セミナーの指導者がドラッカーの『マネジメント』を読んだら

当会会員N君がある沖縄空手のセミナーに参加した。最近著書も出された先生でセミナーには40名ほどが参加していたという。

以前にも記したが当会では特に会員が他流の先生が主宰するセミナー等に参加することを禁じていない。セミナーで得るものがあれば会員の上達にもつながるし、いろいろと内容を聞くのは私にとっても楽しいものである。

さて、その先生のセミナーは一部2時間強(午前、午後と二部制)で費用は一部あたり五千円とのこと。二時間の内容は1時間くらいが講話、残り1時間でちょっと技術解説があり、最後は参加者どうし(ほとんどその流派では初心どおし)で簡単な約束組手をしておしまいだったようだ。「講話の内容はほとんどが本に書いてることでした。実技の1時間はパターン説明してるうちに過ぎてしまいました。あれなら本買って読んでたほうが安上がりでしたよ」とN君。この先生にお会いしたことはないのでこれだけの情報で批評はできない。しかし、少なくとも技術の習得がセミナーの目的だったならいささか不十分なように思える。先生に拝顔できただけで感動する方もおられるだろうから価格設定については一概に言えないだろうが。

仕事で製品知識のセミナーに参加することがある。ほとんどのセミナーでは最後に感想を書かされる。主宰者は「講師の説明はわかりやすかったか、親切だったか」を重視する。競争の激しい業界であれば顧客満足度調査は当然行うため、それらは重要な資料となるし、業界によっては専門誌がさまざまな視点(価格、ビギナー向けor専門家向け、実用度など)から比較特集を行うこともある。

武道の世界でも「秘伝」誌あたりが特集で「徹底比較!武術セミナー感想・満足度一覧」とかいう企画を組んでくれないものだろうか?絶対ウケると思うのだが。さて、私も関東在住の会員や質問をくださる皆さんもいることだし、東京あたりでセミナーでも開いてみるか・・・
プロフィール

古流修行者

Author:古流修行者
大阪、三木で沖縄空手を指導しています。東京稽古会も活動中。型で身体を創り、組手に活用します。興味をもたれた方はjyoutatsuhou@gmail.com までご連絡ください。

武道上達法研究会 古伝沖縄空手指導日誌

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