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技のキメ、とは何か?

先日の型の稽古中、新入会員K君より質問、

「型のこの部分で技のキメを入れればいいんですね?」
「ん?技のキメって何?」と私。
沈黙するK君。

 意地の悪い回答となったが「型(あるいは基本)のこの部分でキメを入れなさい!」といった表現は武道の技術書に多く見られる。しかし、具体的にキメとは何かについて流派を超えた定義はないと思われる。

 キメの類語としてはトドメということになろうか。流派によっては投げた後に突き、あるいは蹴りのポーズをとることをキメと称している。

 多くの場合、型のキメとは突きの最後をガッチリ固め、観客や審判に向かって力強さをアピールするものを指しているように思う。演武や型試合ならこれでいいのだが最後に力む(それも外部から確認できるほどハッキリと)ことはトドメをさせるほど威力のある技とはならないケースがほとんどだ。逆にボクシングのアッパーやムエタイのハイキックは破壊力は高いがキメを意識して稽古しているとは思えない。

 型や基本稽古では突く位置は決まっている(私の流派では肩の高さより少し低いくらい)。初心者は一回一回バラバラな位置を突く。それでは、と無理に的を固定すれば居着いたガチガチの貫通力のない突きになってしまう。突きの位置は小手先で調整するのではなく胴(ハラ、腰を含め)すべてで調整するのである。身体がしっかりすれば突く位置は決まってくる。しかし、胴にくらべ落ち着きの悪い拳はなかなか位置が定まらないが、稽古を積むうちに拳の位置も機械制御の如く安定し、威力も生じてくる。

 キメはコツを教わったからといって初心者がすぐできるものでもなく、無理やり創るものでもない。正しい型と姿勢で自然にできあがってくるものと考えている。
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幻の弧拳打ち

マンガ「空手バカ一代」のオープニングはニューヨークの暗黒街の一室、マス大山がまわりを囲んだギャングを一瞬で制圧する場面である。このとき両脇に立つ悪漢をKOしたのが弧拳打ちだ。

弧拳打ち − 曲げた手首の外側を打ちつける技


 大山倍達先生の書かれた技術書には弧拳にかなりの頁が費やされていた(ダイナミック空手、百万人の空手など)。実戦では正拳を握る暇がないので弧拳は有効な技となるといった説明だった。

 フルコン空手時代、弧拳を試合や通常の組手稽古で見たことは一度もなかった。私は護身に有効なら、と思い手首を曲げた形での腕立て伏せなどを行っていたが、普通の体力、体格では威力は出せそうになかった。また、少々鍛えてもかえって自分の手首が怪我しそうに思えたものである。もし弧拳を使うタイミングがあったとしても手刀や裏拳、鉄槌といった弧拳より安全な技術も存在する。黄帯になるころには弧拳への興味は薄れていた。

 沖縄空手の先生からは弧拳は最初から曲げた手首を叩きこむものではなく、手首を柔らかく使う攻防の中で使用するものである、と指導された。ポイントは
1)手首の真ん中を当てるのではなく親指側に近いところを使用する
2)アゴやボディに打ち込むのはまれ、攻防一如(いわゆる交差法)として相手の前腕に当てることが多い
3)両手同時に使用する
4)猫足立ちとセットになることが多い
というものだった。また、ダイナミック空手の大山先生の写真を見ながら「大山先生は猫足立ちが安定しているし組手も今のフルコンの人たちと違う、そやから弧拳も実際に使えたんや」と仰った。

 私の教室では弧拳の使用法をたまにレクチャーするが多くは猫足立ちを指導する際の受け技(というより攻防技)としての紹介である。猫足立ちと柔らかい手首の動きができないと使えない。逆に言えば猫足立ち、手首の柔らかさを創る稽古として有効ということだ。

小柄な者のジャンプ技

大学時代のフルコン空手で小柄な先輩と同期生がいた。身長164センチくらいである。

二人とも運動能力は高かったのだろう。コンビネーションでは飛び後ろ回し蹴りのような難度の高い技を楽々とこなしていた。また高い位置にミットを持たせて連続ハイキックといった稽古もよく行っていた。小柄な者でも大きな相手を倒せるための練習ということだった。スピードはあり、難度の高い技ができたせいか昇級審査の点数は高かったことを覚えている。

さて、私としては彼らとの組手は非常にやりやすかった。当時の得意技は右ローキックと左右前蹴りだったが上背がない相手には軽く足を上げるだけで丁度いい位置を蹴れるし、身体が浮ついているのでヒットすれば簡単に相手を後退させられるのである。フットワークでまわりこむ戦法も使いたがったようだがこちらは上から見下ろす形になるので相手の意図も読みやすかった。

では、その小柄な二人が戦う自由組手ではさぞ華麗な空中戦が見られたか?・・・と思われるだろうが、同じ体重どうしのの対戦ではお互い押し負けする不安がないのか、顔がつきそうな体勢から両手を大きく振り回して胸、腹をポコポコ殴りあっていた(いわゆるデンデン太鼓組手)。

小柄で強い先輩もいた。上背こそなかったが筋トレをかかさず、腕など私より太いくらいだった。ジャンプ技は使わず、一瞬の隙をついてふところに入り重いパンチをボディに連打してくるスタイルでやりにくい先輩だった。

使いやすい技術と有効な技術は違うということか。

柔道の「エビ」

柔道で俗に「エビ」と呼ばれる練習法がある。寝技のトレーニングとして一般的なものである。マンガ「1、2の三四郎」や「YAWARA!」でも紹介されているので柔道経験者でなくともご存じかも知れない。




さて、空手、特に伝統空手しかスポーツ歴のない人は受け身が苦手というケースが少なくない。一方向への直線的な動きで腰椎の当たりをガチガチに鍛えているため背中の固さがとれないのである。タンスのような倒れ方をするため投げ技の稽古の際、後頭部を強打しそうで危ない。安全目的のほか、当会では腰を柔らかく使うための運動として取り入れている。

動作自体は普通に高校の柔道部などで行われているものと同じである。注意点は
1)極力身体を丸めること
2)できるだけ足の力を使わず、腰を丸める勢いだけで進むこと
くらいである。

動きが単調で腰の固さがなかなか取れない方は一度試みてはいかがだろう。
プロフィール

古流修行者

Author:古流修行者
大阪、三木で沖縄空手を指導しています。東京稽古会も活動中。型で身体を創り、組手に活用します。興味をもたれた方はjyoutatsuhou@gmail.com までご連絡ください。

武道上達法研究会 古伝沖縄空手指導日誌

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