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肩の力を抜け!という指導と拳立て伏せ

名著「太極拳の科学」に「鉄牛耕地(腕立て伏せ)は絶対にしてはならない。勁力を妨げる最たる運動だ」と書かれていた。「中国武術 秘伝必殺鉄砂掌」でも勁力を高める運動として指立て伏せに似た運動が紹介されてはいるものの二頭筋、大胸筋を鍛える通常の腕立てとは異なっており、むしろ通常の指立て伏せについては「相手を打つための練功にはならない」と紹介されていた。

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秘伝必殺鉄砂掌 より



学生時代この文章を読んだときにはかなり考えたものだ。フルコン空手と拳立て伏せは相撲の四股のように切っても切れない運動だった。フルコンは私程度の体力では社会人になって続けるのは難しい、伝統武術に転向したときに今行っている運動は無駄になるのかな・・・と。

さて、空手諸流派でも初心者の突きの指導での定番と言っていい科白が
「肩の力を抜け!」
「突きは押しとは違うぞ!」
といったものである。私も学生時代、フルコン空手をはじめたときに毎日のように聞かされた。

ここで矛盾はないだろうか?腕立て伏せ(拳立て伏せ)は肩に力を入れる運動である。肩や肘、胸の力で地面を押す運動ともいえる。肩に力を入れるなと指導する一方で肩に力を入れるトレーニングを行っているわけである。

拳立て伏せを一概に否定はできない。ある程度「がっしりした」身体を創るのは古流でも必要であるし、顔面なしフルコン空手なら胸を叩かれないことはまずありえないのでぶ厚い大胸筋は有利だろう。ただ、単調な拳立て伏せをヤミクモにこなすこととパンチ力増大との相関関係について説得力のある説明を聞いたことはない。

拳立て伏せの効果が大きいのは入門時極端に虚弱な人か、あるいはもともと腕力が強く、骨格が頑丈で少々無理な鍛え方をしても身体が変形しない人のように感じている。周囲でも拳立て伏せのやりすぎで肩や首を変形させてしまった例は多い。

現在私の教室では拳立て伏せは通常のメニューには取り入れていない。力を抜いて行う方式の腕立て伏せを沖縄空手の先生に教わったことがあるので希望者のみに指導する程度だ。

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テーマ : 空手
ジャンル : スポーツ

出席する意義のある稽古を行う

先日の稽古後、出席7回目の新入会員K君が感想を述べた。
「なんだか来るたびに型が難しく感じられるように思います。今日のサンチンの指摘された内容は指導を受けないとわかりませんでした。本やDVDでしっかり覚えた気になっていたのですが・・・」

入会1-2カ月くらいの多くの会員が同様の感想を持つ。そしてこのような質問が出ることはK君がまったくの初心の段階から一歩進歩したことの証明ともいえる。

表面だけを真似するのなら器用な人間なら二回程度の指導でそれらしく演武(?)できる。しかしまったくの初心者が力の使い方や内面を数回でマスターすることはありえない。写真にとれば一見同じように見える動作でも手を触れ、検証してみれば中身が異なることはすぐに理解できる。逆に言えば内面ができている人なら動作、型の違いは単に流派の違いにすぎない。

表面的な動作だけなら本やDVDでも学習することは不可能ではない。そして、それだけでよければ指導料を払い
、貴重な自由時間をつぶして道場に通う価値はないようにも思える。

テーマ : 武道
ジャンル : スポーツ

型で戦う、ということ

多くの空手道場、特に伝統派、沖縄空手系の流派なら型とそれに付随する約束組手(分解組手)を行う。

一般に行われている稽古の手順は

型 → 型の動作から抽出した約束組手(分解組手) → 自由組手

というフローである。
これらを繰り返すことにより古の達人の技術に近づく、という解釈がされる。

ここからいわゆる実戦派諸流派の型批判がはじまる。現在格闘技のスピーディな攻防技術に古式型の技術では対処できない、というものだ。

結論から言えばまったくその通りだ。型で示される手刀受けや下段払い、双手受けなどで現代格闘技のコンビネーションやパワーに対処できると思えない。事実、単発の攻防が多い寸止め空手や防具空手ですら有段者どうしなら使われる技術はせいぜい外受け(パーリング)程度、ほとんどのアスリーツは現在格闘技から取り入れたフットワークやブロック、ストッピングを防御技に用いている。

ではなぜ型を行うのか?

型で戦う、ということを短絡的に「型の動作を組手で使おう」とするから「使えない」という結論が簡単に出てしまう。組手、さらには実戦で使用するのは型で示された技でなく、型で練った身体なのだ。

円形逆突きや回し受け、十文字受けなどで相手を制圧するのはマンガや講談本の世界。古の達人も実際の戦いで奇抜な技術を使ったとは思えない。一見素人の乱闘のような動き(人間の自然な戦い方)ではなかったか?動きの質は異なっていたと思うが。

テーマ : 空手
ジャンル : スポーツ

裏拳脾臓打ち

「ダイナミック空手」より

極真系の流派の基本稽古に「脾臓打ち」がある。自分の横に立つ相手の脇腹に裏拳を打つものだ。試合で使える技術とは思えないので護身術的な解釈をされることが多い。



さて、実用護身術としてこの技術を解釈した場合、疑問はないだろうか。奇襲攻撃として「ハッ!?」とさせる程度の効果はあっても、ふぬけならともかく鍛えた相手に対し中段への短い裏拳でダメージを与えることは難しい。まして本当の実戦においては相手は着衣のケースがほとんどだ。スーツやジャンパーを着ている相手に中段裏拳打ちの効果は薄いだろう(あくまで私見、実戦例があれば紹介いただければ幸いです)。

大学時代のサバキ系フルコン流派では基本の脾臓打ちは肘を大きく上げ、やや打ちおろすような打ち方を稽古していた。上から下に体重を乗せて打ちおろすので極真式よりも威力が大きいと先輩は説明していた。

モーションを大きくすることで若干の威力の増大はある。しかし、逆に言えば相手に読まれやすく、奇襲技、護身術としての効果は薄くなる。また横に向かって伸ばした手に体重を乗せる、という術理は無理があるように思えたものだ。

この技術(というより動作)を有効な基本動作として解釈するには「横に立っている相手を攻撃する」という前提から外れてみてはどうだろうか?足刀などの特殊な技術を別にすれば相手が横にいるからといってこちらも横を向いたまま攻撃しなくてはならないという決まりはない。

この裏拳脾臓打ちを「大きく腕をまわして拳を振り下ろす」打ち方に変えたのは芦原英幸先生だという。芦原先生は中国拳法も深く研究されていたという説もある。超実戦派として知られた芦原先生のこと、脾臓打ちも小手先の技でなく大きく背中を効かせた中国武術式の腕の振りをマスターするための基本稽古に改変されたのではないだろうか?少なくとも「サイドに立つ相手を攻撃する」という解釈よりは合理的と思うが・・・

7周年

2005年10月に発足した武道上達法研究会も7周年。細々と続いている会派ではあるが、通常の仕事を持ちつつ武術のすばらしさに興味を持った人たちに他所で受けることのない技術を指導できていると思う。

もちろん天下の名人になるのはそれなりの素質と環境が必要だ。柔道などでも全日本選手権に出場するのは少年期から才能を認められ、大学や実業団で特別なトレーニングを積んだものに限られる。しかし、懸命に稽古すれば仕事や学業の傍らの稽古で通常の二段程度の実力を持つことはそれほど困難ではないはずだ。古流だから天才以外の稽古生が素人同然のままとどまっており、それを稽古生の努力不足が理由のみとする道場は指導力を疑っていいかもしれない。

当会は世間で言う最強でも最高でもありえないが会員を失望させないことは常に心がけている。

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プロフィール

古流修行者

Author:古流修行者
大阪、尼崎で沖縄空手を指導しています。また三木市稽古会も発足しました。型で身体と動きを創ることを中心としています。興味をもたれた方はjyoutatsuhou@gmail.com までご連絡ください。

武道上達法研究会 古伝沖縄空手指導日誌

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