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集中力 - よそ見と組手経験

新入会員のFさんは50代。加齢から来る体の歪みはある程度どうしようもないがなんとか型で老化を抑制し、まだ体が動くうちにいくばくかでも基本技を身につけてほしいものだ。

さて、このFさん、合気道2段だがかなりパワー系の合気道を稽古していたようだ。合気系流派の特徴とも言うべき相手のパワーを吸収するような技法はむしろ苦手としている。相手が力を入れるとそれ以上にこちらも力を入れて対抗してしまうのだ。

「最初は技がかからなくてもかまわないから相手を意識せず、とにかく力を抜くように」と指導したところ目が天井を向いたまま稽古を行う、つまりよそ見をしながら稽古をしている状態だ。自動車のよそ見運転習慣が危険であることと同様、稽古のよそ見癖は実戦を考えるなら感心しない。

Fさんに限ったことではないがスパーリングをしない武道しか経験がない人には「相手を意識するな」という指示を受ければ目や顔を相手からそらせて意識をはずそうとする人たちがいる。相手が視野から外れれば確かに意識は外れリラックスもしやすいだろうが自由組手で相手から意識をそらす癖までついては本末転倒、自由組み手で相手の攻撃がパカスカ入るようになってしまう。

当会には過去フルコン空手の指導員クラスも在籍したことがある。彼らを見て思ったのは型は下手でも人間を目の前にしたときの集中力は非常に高かった。例えスポーツであっても緊張感のある稽古経験は武術、武道でも生きてくる。


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テーマ : 武道
ジャンル : スポーツ

努力すれば一流になれるか? 

陸上競技の為末大氏がツイッターで、「やればできると言うがそれは成功者の言い分であり、例えばアスリートとして成功するためにはアスリート向きの体で生まれたかどうかが99%重要なことだ」と持論(当然の事実だ)を展開したところ批判の返信が殺到したという。美辞麗句が大好きな人たちはいまだに多いようだ。

何事もそうだろうが特にスポーツの世界で頂点に立つには人並み外れた素質、指導者や家族などの環境、不断の努力、そして運のすべてが揃わなければダメだろう。素質もあり、努力もした人が運に恵まれず大成しなかったケースは多いと思うが素質に恵まれない者が努力だけで頂点に立ったケースを探すのは容易ではない。ファイティング原田は努力型のチャンピオンだったというがあくまで天才型のライバル(海老原博行や西条正三など)に比較しての話であり、努力を続けても壊れたりしない強靭な肉体には恵まれていた。

高校時代「人間は素質ではない。流した汗は裏切らない、スポーツは努力の結果だ」と文部省が喜びそうな説教を垂れる体育教師がいた。その一方でこの教師は体力テストで成績のよかった一年生をしつこく自分が顧問をする部活に勧誘していた。言行不一致なオッサンだったが自分で矛盾は感じていなかったようだ。

「努力すれば成功する」と信じるのは結構だがこの手の連中の多くは「成功しないヤツは努力が足りない」と検討違いの結論も用意するから始末が悪い。

不思議な現象がある。

「人間は素質ではなく努力だ」と綺麗事を並べる指導者には素質に恵まれた生徒をチヤホヤする一方そうでない生徒を平気で冷遇するものが多く、「不向きなヤツはやめてしまえ」と公言する指導者のほうが素質がなくとも努力を続ける生徒に対して親身なケースが多い。

たまたま私の周囲がそうだったのか?






テーマ : 武道
ジャンル : スポーツ

初心者には理論より実践

映画「真夏の方程式」の中で「理科なんてつまらない、実験が何の役に立つ」という少年に主人公の物理学者(福山雅治)が模型ロケットを使った観測実験を行い科学の楽しさを教えるシーンがある。

本編の展開とはそれほど関係がないが主人公と少年の交流を描いた好場面だ。これがロケットを使った実験の代わりに屋内で教科書を説明したり「科学は大事なのだ!だからやれ!」と説教する場面に置き換わっていたとしたら交流シーンにリアリティも感動もない。

一昔前までの日本は指導力のない指導者にとって実に都合のいい社会だった。「○○が大事なのだ!だからやれ!」と言えば黙って従うのが指導を受ける側の美徳でもあったからだ。このシステムには礼節・秩序を維持する長所もあるが無能な指導者を温存する弊害も存在する。体育会系管理職が未だに存在する日本のビジネス社会を思いだせば理解されよう。

型や基本も指導方法一つで生徒に意欲を持たせることができる。「型は大事なのだ!だからやれ!」というよりも型を習得したおかげでいろいろな技法が可能になることを実証で示せば今の生徒でも納得するのではないか。




テーマ : 武道
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ナイハンチの鍵突き

空手独特の突き技に「鍵突き」がある。基本型のナイハンチでも演武する。

IMG_0391[1]鍵突きの稽古、突きの姿勢の修正

この技に関していろいろな解釈があるが疑問が生じるものが多い。

*ボクシングのフックに該当する → 最初からボクシング式のフックを稽古したほうが威力がある
*真横に立つ相手を攻撃する技である → 手が届くか?威力が出るか?

真横に立つ相手を攻撃する、という解釈は必ずしも間違いではない。ナイハンチ立ち(両足の足刀を平行にする)を変化させ、相手に近い側の足を開けば腰にゆとりができて逆突きを相手に当てることが可能だ。

しかしそれならなぜ最初から使いやすい直突き(逆突き)を稽古しないのだろう?

鍵突きで威力を出すことは容易でない。そもそも不自然な体勢である。最初から威力のある打撃を打てるものはほとんどいないだろう。

姿勢を崩さず、引き手と突きを一致させ、背中や肩甲骨を巧みに使うよう指導を受けたのちに稽古を重ねれば鍵突きで威力が出せる。そして一見不自然な動きで覚えた体の使い方はより自然な突き方(通常の逆突き)でももちろん流用できる。

約束組手は方便にすぎない。型そのものを正しく身につけることが重要なのだ。


IMG_0412[1]正座での鍵突き稽古、突きの精度を高める

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プロフィール

古流修行者

Author:古流修行者
大阪、三木で沖縄空手を指導しています。東京稽古会も活動中。型で身体を創り、組手に活用します。興味をもたれた方はjyoutatsuhou@gmail.com までご連絡ください。

武道上達法研究会 古伝沖縄空手指導日誌

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