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脱力は楽な運動ではない

今月号の「秘伝」では脱力が特集されていた。

「脱力」という言葉が市民権を得てもう10年以上になるだろうか、「リラックス」とか「無駄な力を抜いて」とかいう指導は昔からあったが脱力自体が秘技である、といった紹介のされ方は90年代後半の古武術ブームの時期からはじまったように思う。

脱力がポピュラーになってから武的なものに興味を持つ人が増えたのとすれば営業面で裾野を広げた効果は少なくないだろう。脱力ならある程度は誰にでもできるからだ。

ところでこの「脱力」という言葉、特に「全身の力を完全に抜け」と指導すればその時点で矛盾があるはずだ。本当に全身の力が抜ければ倒れてしまうはず(全身麻酔と同じ)。正確には「不要な部分の筋力をできるだけ脱力せよ」というのが正しいと思う。さらには「不要な部分の筋力を抜くことで必要な部分を徹底的に鍛える」運動とも言える。

さて、当会のサンチンは力を抜いて行う。身体をまっすぐし、あとはとにかく力を抜けと指導する。なんども書いているが会員諸氏は入会後3ヶ月くらいたつと力を抜いて行うサンチンのキツさがわかってくる。

競技で鍛えたものほどサンチンで苦悶の表情を浮かべる。これまでの筋トレで養成した力を使えない状態のまま型をおこなうので陸に上がった魚のような状態になるのだ。身体が思いどおりに動かないことによる精神的な疲労も加わる。

健康のための脱力運動ならここまでしなくともよい。疲れたら休む。緊張もさせない。虚弱な人が激しい運動を急にはじめるのは考えものだ。しかし、実用武術であるなら鍛錬は不可欠。鍛錬であるなら疲れたからといって頻繁に休んでいては効果も半減だ。疲労を目的としてはならないが、実用であるならばある程度のキツさがあるのは当然である。



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Author:古流修行者
大阪、尼崎で沖縄空手を指導しています。また東京稽古会も発足しました。型で身体と動きを創ることを中心としています。興味をもたれた方はjyoutatsuhou@gmail.com までご連絡ください。

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