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実証 - 移動稽古を例に

一般に空手道場に入門すればまず「定位置での基本突き」の指導を受ける。正拳中段突きはその代表的なものだ。例えば極真系ならサンチン立ちから交互に中段突きを出す動作である。



そして、その段階がすぎれば次に「移動しての基本突き(移動稽古)」を指導される。前屈立ちや半四股立ちで前進しながら突きを出す稽古である。




先週土曜の稽古、新入会員のC君にサンチン立ちからの突きと前屈立ちで移動しての突き技を行わせてみた。C君は大手フルコン空手流派の指導員でもある。まだ正規入会後二回目の出席であり、突き技はまだ所属している流派の基本突きのままだ。

そこで検証、当会会員でやはりフルコン空手有段者のT君をC君の前に立たせサンチン立ちから思い切り胸を突かせてみる。さすがフルコンの指導員だけあってそこそこの重さがある。

次に今度は前屈立ちで移動して胸を突かせる。明らかに定位置での突き(サンチン立ちからの突き)よりも威力が劣っている。そのことを納得させた上でC君に質問  -  「移動稽古って何のために教えてるの?」

その場での基本が終われば次は実戦に近づけるため移動しての稽古、というのが模範解答だろう。しかし前屈立ちで後足から大きく移動することなどスポーツ組手でも本当の実戦でもありえない。実用性から解放することによって強い突き技を身につけるという考え方もある。それならば重心を大きく移動しての突きがその場での突きより威力がないのはなぜだろう?

C君の出身流派もおそらく創出された当初(創始者の先生および直伝を受けた方々など)は移動して強い突きを放たれていたと想像する。会派が大きくなるにつけ内容の検証がされないまま、練習の体系のみが後世に伝えられているとは言えないだろうか?

今日の空手、特にフルコン系が徐々に前屈立ちや四股立ちでの移動稽古を捨て、ファイティングポーズでのコンビネーションのみを移動稽古としているのは合理的、即効性があるとも言える。ムエタイなど他格闘技などとの交流により稽古内容が検証され、空手の一部を放棄しても他流の長所を取り入れるようになったのだろう。もちろんそれにより失伝が加速される技術や指導体系もあると思う。
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一般に空手道場に入門すればまず「定位置での基本突き」の指導を受ける。正拳中段突きはその代表的なものだ。例えば極真系ならサンチン立ちから交互に中段突きを出す動作である。そ...

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Author:古流修行者
大阪、尼崎で沖縄空手を指導しています。また東京稽古会も発足しました。型で身体と動きを創ることを中心としています。興味をもたれた方はjyoutatsuhou@gmail.com までご連絡ください。

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