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双手突きの実用性




首里手で重視される型、ナイハンチの動作の中に双手突きがある。パッサイの最後近くにある受けと突きを同時に出す技も双手突きの変形だ。

両手を同時に出して相手を突く技はボクシングにはないし、多くの空手流派でも型の中だけの技になっている。私もナイハンチをかなり稽古した後でも実用性には疑問を持っていた。

まだ沖縄空手の道場に通っていたころ後輩で総合格闘技の現役選手T君がいた。このT君、凶暴な性格で約束組手で失敗すると初心者だろうが白帯だろうが突然奇襲攻撃をかけてくるので皆に疎まれていた。

ある日の約束組手。沖縄空手はまだキャリアの浅いT 君、私の突きを受けて投げ技をかけるのだが上手くいかない。いらだったのか突然、受け技から一気に道着を掴もうとしてきた。柔道経験者にガッチリと道着を掴まれたら簡単に崩されてしまう、こちらは相手が空手式の受け技を前提の約束稽古だったので相手の手を払う余裕はない。万事休す。

とっさに腰においていた両手を前に突き出した。長年稽古した型が体に残っていたのだろう。自然にナイハンチの双手突きがT君の胸をとらえた。T君の動きがとまった。

身体がぶれない、という前提があれば両手突きは意外に使える、ということがわかった瞬間だった。

基本と個性

知人が卓球のコーチをしている。指導上注意することは
「基本が大事。ただ一定の年齢になると基本通り体が動かない人がいる。中高生は徹底的に基本の動きを叩き込むが、大人で矯正できない場合はあきらめてその人の癖をいかした戦法を指導する。大人の指導はその指導の見極めが難しい」
とのこと。

私は卓球はわからないが「大人の指導はある程度癖を容認」は首肯できる。
「力を抜いて腕をまっすぐのばす」という動作すら30才以上の会員で最初からできた人はほとんどいない。特に左右が綺麗にバランスのとれる人は皆無といっていいだろう。

もちろん致命的な体の癖(著しい腰や足首のゆがみなど)は年単位かけても矯正する。
ただ10代なら期待できる「身体そのものの成長」というエネルギーが高齢者には期待できない。長年の日常生活や他のスポーツで身についた体の癖は容易に矯正できず、老化とのトレード・オフとなる。

当会でも基本の重要性は指導する。しかし、
「空手の教科書に手はこの高さ、足はこの高さと書いてあるからこの通りに演武しなさい」
といった指導は行わない。
「基本どおりにやってますけど何年やっても一向に技に威力が出ません」というケースは避けたい。

教科書的な基本と異なる一例。サンチンの立ち方は足裏をべったりつけるのが基本だが極端に足首が固い場合、多少かかとを浮かせるのもやむを得ない。当会では重心の安定のほうを重視する


沖縄空手体験稽古会終了!




既報どおり、当会初の外部向けイベント「沖縄空手体験稽古会」を尼崎市内で活動する上地流巴会さんのご協力のもと 8月12日(日)の午後、尼崎体育館(ベイコム体育館)において実施した。

内輪のメンバー以外はツイッターのフォロワーさんが1、2名程度の参加かと予想していたが思ったより多くの方々に参加いただき、背景もフルコン空手、沖縄空手、中国拳法、合気道など様々。短い時間ではあったが各流派の特徴を伝えあう充実した稽古会になったのではないかと思う。

当日のプログラムは

1)巴会様により上地流独特の身体をつくる体操(コツカケ補助運動)
2)当会の通常補助運動から力を抜いた状態で安定した体を作るための体操
3)巴会様による上地流型 - サンチン および カンシャブン
4)当会による心道流型   - ナイハンチおよびクーサンクー
5)個別ワークショップ     - 複数の少人数グループにわかれ、個別のテーマにそった稽古、巴会様および当会の型・稽古法等を個別に紹介

といった内容。一方的に見せたり、レクチャーするものよりは参加いただいた方の手をとって稽古したかったので(5)の交流稽古に特に重点を置いた。詳細は冒頭の上地流巴会さんのツイッターにまとめられているので請一読。当日私が交流、質疑応答させていただいた方々について思うままに感想 -

✘ さん(沖縄空手) 首里手系の流派をされているとのこと。型を確認。沖縄空手独特の突きと蹴りを同時に出す動作があったので型そのままに当会会員の腹を蹴らせてみる。この動作には疑問を感じておられた様子。手足を同じ間合いで戦うことで接近戦での沖縄空手の特徴が出ることを説明。また一見ありえないような動作でも空手の基本に忠実なら威力が出ることを実証。

y さん(フルコン空手) 偶然私が学生時代に稽古した会派の有段者。極真系の流派の基本に取り入れられている裏拳打ちを確認。やはり実用性に疑問を感じておられたようだが姿勢と力の使い方を改めることで裏拳での攻撃(裏拳脾臓打ち、裏拳まわし打ちなど)も十分威力が出ることを確認。接近戦では裏拳は有効な武器となるが威力が中途半端だとかえって相手が凶暴になる。

z さん (中国拳法)  站樁 を確認 。いささか腰の入れ方が甘かったので強制してしたところすぐに足腰に効いてきたのか苦悶の表情。まだ若く、身体も頑強なので更にこのまま下半身を安定させれば大きく伸びると思われる。組手もセンスがあるのか足技、手技の連続攻撃がスピーディ。今後が楽しみ。

ワークショップは長めにとったつもりだが1時間強だとあっという間に稽古終了。私の拙い進行にもかかわらず参加された方々から「よかった、参考になった」との感想をいただけたのが嬉しい。

S先生はじめ巴会の皆さん、ありがとうございました。参加いただいた皆さん、またお会いできることを楽しみにしています。

稽古会の一コマ。上地流S先生によるコツカケ指導

コラボイベント開催!沖縄空手体験会

武道上達法研究会ではこの夏、尼崎で活動する沖縄空手道場「上地流唐手道 巴会」様のご協力のもと体験交流イベントを行うこととなりました。

* 当会および巴会様の型、技術、稽古法などに関心をお持ちの方
* 所属する道場が夏休みで稽古の機会を探されている方
* 沖縄空手をはじめたいが本やWebだけではどのようなものかよくわからない方

などをが対象です。道、流派の経験は問いません、まったくの初心者でも歓迎です。

当会も初の外部向けコラボイベントということもあり多くの方に楽しんでいただけ、かつ経験者には稽古に有益なものとなるものにしたく思います。

日時 平成30年8月12日(日)
   午後4時開始、6時終了

場所 尼崎市・ベイコム総合体育館 
費用 会場費用として500円の負担をお願いします。
服装 運動できる服装なら可。安全のため表面に金具等が出ていないものを着用ください。

内容

午後4時集合

1)補助運動(巴会様、当会)
2)型演武
3)分解組手・鍛錬法紹介
4) 個別ワークショップ(複数ブースにて体験稽古会)

午後6時終了
個別ワークショップが今回セミナーの中心となります。一方的に見せる、教えるといった形よりできるだけ手をとり技の感触をつかんでいただけるものにしたいと考えています。

興味を持たれた方は
1)氏名
2)年齢
3)武道・スポーツ歴
ご記載の上
jyoutatsuhou@gmail.com
もしくはツイッター  @jyoutatsu  宛てのDMにてご連絡お願いします。

手合わせ稽古会




7月1日(日)、午前の通常稽古のあとプロ格闘家の菊野克紀選手主催の手合わせ稽古会に参加。

会場に向かえば当然ながら現役バリバリと思えるファイターが多い。私は最高齢かそれに近く、「今さらいいトシをして」との思いもあったが1年たてば確実に1年衰える。ある程度競技的に体が動く年齢のうちに「使える古流」として多くの方の技を見切れるか試したいとの気持ちが抑えられない。

感想 - 「行ってよかった!」

開始早々のスタミナ切れでスパー相手の方たちには物足りない思いをさせたと思うが学生時代のような組手の連続ですっかり気持ちが若返った。

菊野選手との組手では見事に顔面にパンチをもらった。怪我をさせず、かつ「入った!」と思わざるをえない。プロの矜持だろう。そろそろ組手リタイヤを考える年になって「自分なりの思い出に残る組手」を記憶に追加。

組手には人柄が出る。打たれたことが不快でなく、むしろ心地いい。
菊野選手、ありがとうございました。各地での手合わせ稽古会、ならびに「敬天愛人」興行の成功をお祈りします。





顔面ガードは大事だが・・・角を矯めて牛を殺す

学生時代のフルコンタクト空手(サバキ空手)では顔面ガードを重視された。

間違った指導ではない。しかしたかだか空手歴3年程度の人物に指導させるとトンデモテクニックが伝授されることが少なくない。クラブのOBは「左パンチを打つ時には右手を開いて左側の顔面をカバーする、右パンチを打つ時には左手を開いて顔の前におく、これを永遠に繰り返すのが正しい基本じゃ!常にどちらかの手を顔の前に置け!」と指導していた。打撃系格闘技をされている方はこの技術が可能か、一度試してみるといいだろう。

組手ルールはいわゆる極真ルールだった。最初は顔面攻防を意識した構えをとっていても組手に熱中すれば顔は前に突き出しながら手は腰の辺りまでおろし、大振りパンチの左右連打を相手を押し出す組手を行った。やはり組手で押し負けるのはカッコ悪いのだ。顔面を意識する余裕はなかったのが正直なところだ。

経験なしに理論だけで技術を創るとときにトンデモ技術になってしまう。
一部の天才を別にすれば顔面攻防を覚えるには顔面攻防のある組手をするしかない。

柔らかい手刀受け




多くの空手流派に「手刀受け」という受け技がある。両手を前方に出し、前手の手刀で相手の突きなどを払い受ける技であるが自由組手はおろか約束組手でも威力のある受けとすることは難しい。

沖縄空手の先生からは「ウチの流派の手刀受けは柔らかく使うんや!」と指導された。事実先生はこちらの突き技を鞭のように巻き取り反撃の当身や逆技を使われた。

私も稽古はしたので型のなかではそれなりに見せられるようにはなったものの実用技とはなかなか思えなかった。そもそも力を抜いた手刀などまず効きはしない。手刀受けの分解組手も相手の協力あってのものだった。

あるとき昇段審査会のあと同門の先生からアドバイスをいただいた。

「手刀受けという言葉に惑わされないこと。そもそも沖縄には手刀受けという言葉もなく本土で便宜的につけられたものだ。両手を前に出し円を描くような動作自体が受け(かけ)になる。大事なことは両手の手首を柔らかく使うこと。結果的にそこから変化して手刀となってもかまわないが無理に手刀を使う必要はない」

目から鱗だった。

冒頭ツイートの動画を見て「なぜこれが手刀受けの稽古なんだ?」と思われた方も多いと思う。

手刀受けという言葉自体が不適切なのかもしれない。




三木稽古会開設のお知らせ

武道上達法研究会ではこのほど兵庫県三木市にて定例稽古会を開催することとなりました。播州地区在住、在勤の方で当会に興味を持たれている方からの連絡をお待ちしています。

指導は私、古流修行者が行います。希望者は大阪本会でも稽古可能です。

稽古場所 : 三木市コミュニティスポーツプラザほか
日時   : 不定期ですが原則として毎週水曜もしくは木曜夜間 (7時ころより2時間程度)
会費   : 
       (1)入会費 (入会時に年会費として四千円)
       (2)年会費 四千円(毎年一回、入会時及び4月に納入)
       (3)稽古チケット 10回分15000円
       (4)施設使用料実費 

なお、初回は無料体験参加です。

入会資格 : 常識・礼節のある方であれば特に資格は設けません。連絡のルーズな方はご遠慮ください。

内容 沖縄空手の型を中心に稽古します。大阪の本会と異なり当面の間は自由組手よりも基本的な型の注意点、身体操法を中心に稽古の予定です。

発足したばかりですので日時、場所その他柔軟に運営したく考えています。

興味を持たれた方、体験参加の希望等は 

1)氏名
2)年齢
3)武道・スポーツ暦
4)おおまかな住所(もより駅など)
5)稽古希望日

記載の上 jyoutatsuhou@gmail.com までご連絡ください。

型の解釈と自分の技

先日、ある武術を指導されている方と交流した。

接近した状態から手で金的を攻撃する技法を見て
「それが型の分解なのですね」
と言われたので
「これを分解組手や技としては指導していません。
たまたま私の体からはこの技が出しやすかったので、この技が出ました。しかし会員には蹴りでも投げでも自分のだしやすい技を出せばいいと指導しています。
相手を死に体にすることが大事なのでどの技を使うかはそれほど重視していません」
と回答した。

空手の型の中の動作では中途半端ともいえる形の技が少なくない。もっとも重視するナイハンチ(内歩進)の型などはその典型だろう。手を横に広げたり、単発のカギ突きはそのまま組手で使える技ではない。

逆に言えば各自の体に合わせて応用は無限である。

受け技で防御する?

当会の自由組手は強弱を競うものでなく、お互いの攻防の欠点を指摘しあう程度の軽度のものだ。安全のため力、スピードはセーブして行っている。

さて、スピードを抑えた組手になると空手経験者に多いのが相手の攻撃に受け技を出して防御しようというものだ。例をあげれば相手の顔面パンチを外受けし、外側にまわりこんだり、前蹴りに対して下段払い受けで防御するもの。サバキ系、ポイント制など流派やルールの違いはあれ受け技→反撃技のパターン稽古を行っている道場は多いと思う。私も大学時代はこの手の約束組手を数多くこなした。

しかし、スピードを抑えた組手においてすらこの手の技術はよほど力量差がないとこの手の受け技は使えないのが実情ではないだろうか。まして全力での突き、蹴りに対しては同レベルの相手ですら難しい。

「受ける」というう意識自体が相手に先手を許しているともいえる。先手を取らせれば勝率は下がって当然。受けるという行為自体に無理がある。「触れる」程度なら可能かもしれない。

空手に受けなし、との先人の言葉を再考してみよう。


プロフィール

古流修行者

Author:古流修行者
大阪、三木で沖縄空手を指導しています。東京稽古会も活動中。型で身体を創り、組手に活用します。興味をもたれた方はjyoutatsuhou@gmail.com までご連絡ください。

武道上達法研究会 古伝沖縄空手指導日誌

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